*運命





自分の運命には、逆らえないんだと
改めて思い知った。


神子という、
神々しくて、尊くて
そして最も憎い運命に。


まず、最初の異変。
それはなんだか体の奥から力が湧いてくる現象だった。
戦っていて、いやに体が軽いのだ。
そして、今まで多少なりとも苦戦してたはずの相手を
いとも簡単に倒してしまう自分がいた

”すごいじゃないかゼロス!!”
”バカ神子もたまには役に立つもんだね”

周りからは誉め言葉。
でも、心の奥底で喜べない自分がいた。


そして次の異変。
いやに視力と聴力がよくなった。
コレットちゃんまではいかないが
確かに、以前より少しだが
よく聞こえ、見えるようになった


そして、最後の異変。
前より多少腕が上がったということで
油断して敵に切りかかったのが悪かった。
逆に返り討ちになって
体に傷を負ってしまった
明らかにその傷に狙いを定めて襲い掛かってくる敵たち
ヤバイ!と思った時、体の奥底から力が沸騰しだした。
いつものように技を出したつもりなのに
地面がら、無数の光

自分の周りの時間が止まって見えた。

剣の先から、地面の中から、自分の体内から
無数の光が天へと向かって突き刺さっていった。


あんなに苦戦していた敵は、跡形もなかった。


”いつの間にそんなスゴイ技覚えたのー?ゼロスすごいねー”
”大変興味深いわ、どぉやってそんな技を?”


皆からは喚起の声。
でも、やっぱり心の奥底で喜べない自分がいた

そして自分は気づいていまった。




これが、天使の力ってヤツだ、と。




空に祈ると、光の槍が
後ろには、綺麗な夕日色が



そう、悲しい悲しい、夕日色が



これが、 神子という、
神々しくて、尊くて
そして最も憎い
運命なのだと、思い知った。
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