*望まれなかった体
この体は、望まれて生まれてきたわけじゃない
信託とやらで勝手に決められ
誰からも必要とされる神子として生まれた
そして、ゼロスという個人を不必要とする神子として
メルトキオ、
時期は冬、
ロイド達は、メルトキオに少し急用があり、
冬のこの寒いときに大急ぎでメルトキオまで飛んできた。
雪、
メルトキオは、綺麗な白に包まれていた。
「ゎ!メルトキオにも雪が降るんだな−!」
「フラノールに行った時みたいに
雪合戦しようよ!!」
「はぃはぃ、用事終わったら付き合ってやるよ」
「子ども扱いするなよー!!」
などとロイドとジーニアスは騒いでいたが
やはり外は寒い。
皆早々と宿屋へと入っていった。
皆暖炉のそばに集まり、
いつものように雑談をしている。
そんな中、いつもならうるさいほどのゼロスが
一言も口をきいていない事にロイドは気がついた
が、どうしたんだ?と声を掛ける間も無く
俺様ーちょっと遊んでくるわーと言い、出て行ってしまった
「なーんか変だな、ゼロス」
「そだねー、今日はおなか壊してたのかな?寒いしね」
「コレット・・・;;」
「・・・そっとしといてやってくれよ
またメルトキオからでたらうざいくらいうるさくなるだろうしね」
と、しいなは悲しそうに言った
そう、テセラア組は皆理由を知っていた。
あの惨劇を。
そして、ゼロスは夜になっても帰ってこなかった。
これには皆も心配しだして、
全員でメルトキオの街中へゼロスを探しに行った
本当に見つからないので、全員が少し焦りだしたとき
少し離れた場所を探していたリーガルは、彼を見つけてしまった。
墓石の前で、寒い中何も羽織らず、
赤い花束を握り締め、ただ呆然と立っている彼を
「こんな時間まで何をしていたんだ、皆心配しているぞ」
「ココな、おふくろの墓なんだ」
見当違いの答えが帰ってきて、リーガルは少し戸惑ったが
ゼロスはそのまま話を続けていく
「ホントはよ、ロイド君がメルトキオ行くって言った時
俺様は行かないって言いそうになっちまったんだが…
この旅は重要だしな、そんなゎがままも言ってらんねーとか思ってよ、
嫌々ながら雪の降るメルトキオに来ちまった・・・」
「・・・」
「はじめてなんだよ。雪降ってるときにココ、来るの
・・・花添えるのもはじめてだったかな・・・」
そして、手に持っている花束を放り投げるように墓石の前に置いた。
「・・・」
「なんで、この人は俺を産んだんだろうな
他に男いやがったのにわざわざ好きでもない男の子産むなんてよ
そんなに信託ってやつに逆らえなかったのかね」
「・・・この世界で、神は絶対だ」
「神は絶対、か。
あんなくだらないことをしてるやつが、神、ね」
「・・・ミトスも、必死なのだろう
理解はしがたいが、私もミトスの立場なら・・・」
「・・・なんで、こぉ過去なんかにとらわれちまうのかね
俺も、アンタも」
「・・・これは私が犯した罪だからな」
「じゃあ俺は生まれてきたことが罪、だな
ほんと、なんで生まれてきちまったんだろ、俺様
誰にも・・・母親にさえも必要とされてなかったんだしな。
・・・俺なんか、死・・・」
「「「ゼロスーーーーーーーーーー!!!」」」
「何してんだい!あんたこんなトコで!
こんな寒いトコにそんな格好でいたら
凍え死んじまうよ!!」
「ゼロス、皆心配してたんだよぉ?」
「まったく、こんなトコでこんな時間まで・・・
他の人のこと考えて行動しなさいよ!まったく!」
「ま、ゼロスはバカだから風邪ひかないだろうけどね」
「ゼロスくん・・・バカです」
皆は、どうやら走ってゼロスのことを探していたようだった
息も少し荒い
会話を割り込むように皆口々に話すので
ゼロスは少し驚いていた。
「ま、無事でよかったじゃないか
皆心配してたんだから、もう心配かけんなよ
さっ、皆で宿に戻ろうぜ」
と、ロイドが締めりの言葉を言い、皆揃って宿に向かい始めたとき
ゼロスは言った
「なんで…俺様の事なんか必死で探してたんだよ?
今までこんな時間までいなかった事
けっこーあったと思うぜ?」
「・・・だって、ゼロス、今日は少しおかしかったでしょ?」
「アホ神子が静かになると
どーも気が狂うんだよねー」
「てゅうか、ゼロスは俺達の仲間だろ
いなくなったら、困るじゃないか」
と、あまりにも当たり前のようにロイドは言った。
わりぃわりぃと、いつものようにゼロスは言ったが
嬉しくて、少し泣きそうになった事は
誰にも言わなかった。
そしてその夜、同じ部屋になったリーガルは
真夜中、ベットで横になりながら、ボソリと言った
「・・・これから先、そぉやすやすとは死ねなくなったな」
「・・・そーね」
めんどくさそうにゼロスは答えたが
口元は緩んでいた。
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