*誘惑
ふぁー……暇だ……。
シャルティエは、自室にこもって何をするでもなく、ベットに寝転んで暇をもてあそんでいた。
暇だ。暇すぎる。
戦争中なのに、なんなのだ。この暇さは。
まぁ、ちょっとした平和ということで喜ばしいことなのだが……
そこで、暇なことだし、少し考え事をしてみた。
考える事はただ一つ。もちろん、エミリオのことだ。
エミリオとは、本当に運命な出会いだと思った。何処か……不思議な感じがした。
初めて会ったとはとうてい思えなかった。
話してみても、ちょっと無愛想だが、なんだかんだ言って優しい。
以外と世話見も良いようだし、なにより美少年と言いようがないあの容姿。
あれは反則技だろう(謎)あんなに美少年なのに、仮面をしているのは謎だ。もったいない。
一度だけ、仮面を取った所を見たが、(「くしゅんっ」参照)あの顔にはやられた。
綺麗。としか言いようのない整った顔だ。いや、整いすぎだ。
綺麗な、闇に溶けていきそうな黒髪。
どこか憂いを秘めていて、その瞳を見ていると吸い込まれそうな眼。
細身で、以外と筋肉質な、腰はしっかりとくびれていて魅力的な体………
シャルティエはハッと気がついた。自分は何を考えているのだろうか?
何を…と思っていると、いきなりジューダスが部屋に入ってきた。
「うっわっ!」
とシャルティエは思っいきり叫んでしまった。
「……何だ…いきなり大声なんか出して…」
「いやっ…べっ、別に…あのっ!」
なんだか変な事を考えていたのでシャルティエはかなり焦っていた。
しかもジューダスがいきなり入ってきたので、かんぺきに動揺していた。
ジューダスは、あきらかにおかしいシャルティエの様子をみて、
シャルティエに近付いていき、おでこに手を当ててみた。
「熱でもあるのか…?」
と、ジューダスは問掛けるが、反応がない。
一方、シャルティエは、さっきまで、考えていた人が本当に近くにいて、本当に焦りきっていた。
しかも、ジューダスは本当に心配し出したようで、
顔の位置をシャルティエにあわせるように、少し屈むゆうな姿勢にいていた。
シャルティエとジューダスの顔は本当に間近だ。
ドキ……ドキ…ドキドキドキ……
やけに心臓の音が大きく聞こえる。
《綺麗な、闇に溶けていきそうな黒髪。
どこか憂いを秘めていて、その瞳を見ていると吸い込まれそうな眼。
細身で、以外と筋肉質な、腰はしっかりとくびれていて魅力的な体》
先程まで考えていたことが頭の中で回っていた。
「…おいシャル、なにか返事でもしろ」
と、ジューダスは問掛けるが、シャルティエは顔を真っ赤にして目を見開いていた。
しかし、しばらくするとシャルティエは落ち着いてきたのか、突然ジューダスを呼び掛けた。
「エミ…リオ」
「…やっとか…どうした?なんか変だぞ?お前…」
「いや……その…ゴメン…」
「思い当たる節もないのに謝るな」
「……いや、謝る必要アリアリだよ…ゴメン…」
「……?」
ジューダスにはわけがわからないまま、シャルティエは謝り続けていた。
それを見飽きたジューダスは、ていっと言わんばかりにシャルティエをデコピンした。
「あいてっ!」
「…もう分かったから、何に謝っているか分からないが、今ので許してやる。」
と、いうジューダスの顔をおでこをさすりながらシャルティエはボーッと見ていた。
すると、突然嬉しそうな顔をして、
「ありがとう」
と笑顔で言った。
ジューダスと少し話をしたあと、またシャルティエは考え事をしていた。
一体、何故あんなことを考えていたのか。思い当たる事は……
@ストレス?Aハロルド?B寒いから?Cエミリオが美少年だから?
と、意味不明な選択肢をどんどんふやしていったが、意味はなく、しばらく考えているうちに眠ってしまった。
そして、夢を見た。
広い、春のように暖かい草原で、桜が花開いている。
横にはエミリオがいて、 話をしている夢だった。
エミリオは、やっぱり綺麗な顔をしていると思う。
女みたいな顔だと思う。それに……女みたいな体の小ささで…等と考えていると次に、無意識に言葉が出た。
「僕は……エミリオ…君が、、、」
そしてエミリオの顔に吸い込まれるように近づいて…
夢はここで終った。
シャルティエはバッと起き上がり、息を荒くさせていた。そして
「ハァッ…ハアッ…ハアッ……僕…重症みたいだ…」
とつぶやいた。
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