*別れ
地上軍地点では、退屈しない。
なぜなら、シャルがいるから。
剣のシャルと話をして、
人のシャルと話をして、
いつも誰かと話をして、
退屈しないと思った。
今の時間がずっと続いてもいいと思った。
しかし、永遠に時間は続かない。
楽しい時間も、いつかは終わる。
悲しい時間も、いつかは終わる。
苦しい時間も、いつかは終わる。
嬉しい時間も、いつかは終わる。
人生も、いつかは終わる。
敵地に乗り込んだ。
バルバトスと戦った。
カーレルが死んだ。
ハロルドが泣いた。
仲間が泣いた。
戦争は終わった。
歴史は元に戻った。
歴史が元に戻ったということは、
もうこの時代に用はない。
バルバトスは、18年前に逃げたようだ。
それを追わなければならない。
人のシャルと別れなければならない。
「おい」
そう呼びかけられて、すぐに”あの人”と分かってしまうシャルティエがいた。
「あ、エミリオ、よかったね……戦争はもう終わったよ……」
「あぁ……」
「……戦争は終わってよかったけど………」
と、シャルティエは言葉を濁らせた。カーレルのことだろう。
「………あぁ」
「……カーレルも、戦争が終わった事を喜べって言うかな…」
「……僕には分からん」
「そっか……」
「……人との別れは…辛いか?」
「そんなの……辛くない人のほうがおかしいよ」
「そうか……」
「…どうしたの?エミリオ?」
「すまない」
「え?」
「……僕は、もう行かなければならない」
「……エミ…リオ?」
「……辛い思いをさせて…すまない」
「エミリオ、変だよ?どうしたの…?」
と、シャルティエが言い終わると、
何も言わずにジューダスは歩き始めた。
シャルティエとは反対方向へ。。。
「待って!」
肩をつかまれ、ジューダスは止まった。
「待って……待ってよ?!エミリオ、変だよ。ねぇ……どうしたの?
まさか……まさか、エミリオも何処かへ…?」
ジューダスは、微笑んで、こうつぶやいた。
「必ず、必ず会える。また、必ず。少し、時間がかかるかもしれない。
けど、けど……また会える。絶対に。」
1000年後に……
スタン達に会った。
神の眼に着いた。
スタン達がソーディアンを刺していた。
バルバトスを倒した。
神の眼が割れない。歴史とは違う。
マントの後ろから、シャルの声が聞こえる。
『坊ちゃん……僕を、僕を刺せば、神の眼が割れると思います』
辛い、辛い決断だった。
剣のシャルと別れなければならない。
そして、シャルを……
(楽しかったですよ……)
シャルの最後の言葉。
優しい優しい声。
でも、もう聞こえない。
だって、シャルはもういないから。
一人になった。
シャルがいなくなった。
退屈になった。
話相手がいなくなった。
大切なモノがいなくなった。
かけがえのないモノがなくなった。
一人になった。
独りになった。
シャルとはもう会えない。
人とも、剣とも。
でも、今までの時間を、
大好きな時間を忘れたくはないと思う。
かけがえのない時間を忘れたくはないと思う。
シャルと居たときは、いつも一人なのに二人だった。
シャルにはたくさん弱音も吐いた。
シャルの前でたくさん泣いた。
辛かっても、シャルがいたから乗り越えられた。
シャルが辛いときも、泣いた。
二人で泣いた。
『シャルは優しいな……』
『いいえ、優しいのは、坊ちゃんですよ』
なぁ……シャル…
今度生まれ変わっても、また、会えるだろうか?
| 広告 | [PR]ヒートテック 花 転職支援 わけあり商品 | 無料 チャットレディ ブログ blog | |