*「くしゅんっ」ココは、地上軍拠点。しかも、1000年前の地上軍拠点だ。
雪も十分すぎるほど降り積もり、おまけに、少し吹雪いてきたようだ。
「くしゅんっ」
ジューダスは、その中、一人で歩いていた。
いや、正確にはシャルティエと一緒なので一人ではないが……
『坊ちゃん!ホラ!くしゃみしてるじゃないですか!風邪ひきますよ!』
「……そうだな…そろそろ部屋にもど…っくしゅっ!」
『わー!ホラ!もう!ダメじゃないですか!そんなになるまでぶらついていたら!』
「…シャルと話していると”そんなになるまで”ぶらついてしまったんだ」
『…スミマセン』
実際、ジューダスは楽しかったから、という意味を込めて言ったのだが、
どうやらシャルには嫌味として受けられたようだ。
しかし、本当にぶらつきすぎたとジューダスは思った。
「シャル、帰るぞ。」
『そんなこと言われても、僕は坊ちゃんについてくだけなんですけどね♪』
「……フン」
そういって笑うと、ジューダスは部屋に戻る道を歩いていった。
「っくしゅん!」
『坊ちゃん…本当に風邪ひいたんじゃないですかぁ……?』
「…かもしれん」
そういい終わると同時に、ジューダスはまたくしゃみをした。
建物の中に戻ってきたのはいいものの、外と中との温度変化に体は急についていかず、
反対に、くしゃみはひどくなるは下手をしたら鼻水まででてきそうないきおいになっていた。
『ちょっと、誰かにでも言って、毛布でももらったら……』
「大丈夫?」
シャルティエの言葉は、オリジナルのシャルティエによってさえぎられた。
「あ、あぁ…」
ジューダスはいきなりやってきたオリジナルに少し驚いたようだった。
「君、ハロルドが連れてきた子だよね?外とか歩いてて、風邪ひいたんでしょ?」
完全に図星だ。しかし。オリジナルシャルティエは、ジューダスの答えを聞く前に、自室へ戻ってしまった。
そして、すぐに戻ってきて、手には毛布を持っていた。
「…はい、毛布。これでもかぶって、ちょっと寝てなよ」
「あ、あぁ…すまない」
「それじゃあ僕は、用事があるから」
そういうとオリジナルシャルティエはその場を立ち去っていった。
『……え、えと…(汗)と、とにかく、部屋に行きましょ?ね?』
「クス…あぁ…」
『な、なんでそんな微妙に笑うんですか?!』
「いや…なんでもない」
なんでもないとは言っているが、ジューダスはまだ少し笑っている。
『な、なんか恥かしいじゃないですかっ!』
「いいじゃないか。別に」
『よ、よくないですよー!』
そういう会話をかわしながら、ジューダスは部屋へと戻っていった。
部屋に戻ると、そこには誰もおらず、ベットも綺麗なままであった。
カイルとロニはどこに行ったのであろうか?
まぁ、元々、今は何もすることがなく、各自、自由に時間を過ごしているので、
他の仲間が何をしているかなどはジューダスは知らなかった。
とりあえず、この状態からそれ以上に悪化はさせないようにしよう、と、ベットにもぐりこんだ。
もちろん、オリジナルシャルティエから借りた毛布にくるまって。
少し長い間外を歩き回っていたので、体は芯から冷え切っており、
慣れない雪の中歩いてきたものだから、ジューダスはいつもよりつかれていたようだ。
しばらくすると、静かな寝息が聞こえてきた。
「おじゃましマース…」
そういって入ってきたのはオリジナルシャルティエ。
どうやら、さっきくしゃみをしていたジューダスが少し心配で部屋を聞きつけてきたようだ。
剣のシャルティエはそれに気がつき、叫んでいた、
『わーーーーーーー!!なんで僕が来るんだよっ!くるなっ!くるなぁぁぁぁっ!!』
「…そうか…寝てるのか…よいしょ」
そう言いながらも、オリジナルシャルティエはジューダスの布団をかけなおした
寝てる時まで仮面……そう思ったオリジナルシャルティエはジューダスの仮面をはずし、
近くの棚の上においた。
(うわー………綺麗な顔してるなぁ…隠すなんてもったいない…)
そう思い、まじまじと見ていると、カラン・・・と横で立てかけてあった剣が落ちた。
『っ!しまった!なんで倒れるんだよ?!僕!!』
「……剣?」
そう言いながら、オリジナルシャルティエは、シャルティエを持ち上げてまじまじと見た
『…………(汗汗)』
「っ!何をしている!!」
声が聞こえたかと思えば、オリジナルシャルティエの手からシャルティエはジューダスの手に奪いとられていた。
どうやら、ジューダスがオリジナルシャルティエからシャルティエをうばったらしい
「あ、す、すまない!落ちてたからつい……」
ジューダスは、拾ったのがオリジナルシャルティエとは知らずに奪ったものだから、
シャルティエを持っていたのがオリジナルシャルティエだと知ると、
「……なんだ、お前か……はぁ…驚かせるな…」
そう言って仮面に触ろうとしたが、いつもの仮面の感触がない。
「あ、寝てるときまで仮面してるものだから、ついはずしちゃって…」
『あーーー!バカバカッ!僕のバカアッ!!(泣)』
「……別に…かまわない…この剣に、興味があるのか?」
いつもなら、仮面のことでひどく怒るのに、オリジナルシャルティエには怒るに怒れこれなかった
それは、シャルティエのオリジナルだからだろうか?
「いや、なんかこの剣。どこかで見たような気がして……」
「見たいのなら…貸してやる…」
「ホント?じゃあお言葉に甘えて…♪」
『ぼ…坊ちゃん?!』
「おとなしくしてろ。」
「え?何?」
「いや…なんでもない」
そう言うと、ジューダスはオリジナルシャルティエにシャルティエを渡した。
「……どこで見たんだったっけなぁ…」
『もう!見るなよ自分ー!!』
そうまじまじとシャルティエを見ているところを見ると、
いつもしゃべっているシャルティエも考え事をしているときはこんな顔なのか、と思うと
少し嬉しくなった。
『坊ちゃん!何笑ってるんですか!!』
いつのまにか嬉くて顔が緩んでいたようだ。シャルティエに言われるまで気がつかなかった。
ジューダスにしてはめずらしいことだ。
「っくしゅ!」
「あ!君!風邪ひいてるんだから寝ていないと!ホラ!ベットに戻って!」
「あ、あぁ…」
オリジナルシャルティエに体を押されて、ジューダスは布団の中に入った。
「あ、剣、ココにおいておくね。ありがとう。大切なものなのに、見せてくれて」
そういうと、じゃ、部屋に戻るからと付け足してオリジナルシャルティエは出て行こうとした
「あ……」
「ん?どうかした?」
別に、何もない。ただ、無意識に呼び止めてしまったのだ。
「……仕事は…終わったのか?」
何をいっているんだ。自分は。と、思いながらも、何か話さなければという感情が出てくる。
「うん。今日の分はいちおう…」
「今から…何もないのか?」
「うん。あとは部屋に帰って寝るくらいかな」
「じゃあ……ちょっと…話…しないか?」
「……いいよ。」
そう言うと、オリジナルシャルティエは笑顔でジューダスの横のベットに腰掛けた。
「あ、そういえば、君の名前…聞いてなかったよね?教えてくれる?」
「エミリオ=カトレット……エミリオでいい…」
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