*生
「ダメだな、コイツは。クズだ。」
最後に聞いた言葉はそれだった。
その後は、思い出したくもない
落下すると共に与えられた恐怖
皮膚が焼ける感触
確実に死に近づいているという絶望感
そして思うことは、
預言への、憎しみ、ただ一つ。
背中に、衝撃が走った。
目の前は暗くなった
あぁ、自分の人生は終わったんだ。
短い短い人生だった。
喜びなんて、何もない。
残ったのは、憎しみだけ
目を開けると、思いもしない光景が目に飛び込んできた。
白いベットと、灰色の天井。
そして横には、男。
自分の置かれている状況が分からない
自分は生きながら火山へ投げ込まれたはず
死んだはずなのに
なぜ今もこうして生きている?
男は口を開いた
「運がよかったな。火山の岩場でひっかかっていた。」
「・・・・なんで、助けたのさ?」
意図が分からない。
自分は、クズだと言われて捨てられた身。
オリジナルより劣化しているという理由で
ただ生きる事も許されずに殺された命。
いらないと言われたものを助けた、彼の意図が分からない。
「なぜ?オリジナルより劣化しているとはいえ、
お前は導師の力を持っている。
その力が欲しかっただけだ」
”力が欲しかった。”
普通の人が聞いたら
コイツが言っていることは、酷い事なのだろう
でも、力が欲しい、
ボクは、求められている。
光が、差した気がした。
そしてその男、ヴァンは、自分の計画を話し出した。
預言をなくすという、この世界ではありえない状況を作るという計画だ
ヴァンは、預言が憎いのだと言う。
預言。
預言さえなければ、自分はこのような生は受けなかった。
もっと普通の生を受けることができていたかもしれない。
預言さえなれば。
「お前の力が、欲しい。
私についてこないか?」
彼は、自分を求めているのではない。
自分の力だけを求めている。
利用しようとしている。
でも、自分を必要としている。
ボクは何も言わずに彼の手をとった
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